- 新グルーバルブランドキャンペーンを発表 – “未来へのクルーズ”- 30カ国以上のマーケットで展開し、サステイナビリティに対する揺るぎない取り組みを強調
- キャンペーンCMはMSCクルーズで最も環境性能に優れたMSCワールドエウローパ の船内で撮影され、その斬新な環境性能と21隻の客船全体におけるサステナビリティの未来に焦点をあてる
- 2008年以降客船の炭素強度を35%改善したことで、MSCクルーズは2030年までに排出量を40%削減し2050年までにネットゼロエミッション(温室効果ガス排出量ゼロ)運航を目指すIMOの目標達成へ向け順調に取り組みが推し進められている
ジュネーヴ・スイス - 2023年1月26日- MSCグループのクルーズ部門であるコンテンポラリーブランドのMSCクルーズは、「未来へのクルーズ」と題した新しいグローバルブランドキャンペーンを開始しました。この新ブランドキャンペーンではMSCクルーズのサステイナビリティは日常の一環且つ当社の長期的な成長戦略であるとし、テレビ、街中、印刷媒体、デジタル、ソーシャルメディアなどの様々なプラットフォームでこのグローバルマーケティングキャンペーンを30カ国以上で展開します。
このテレビCMは昨年末に就航したMSCクルーズ初のLNG動力船かつ最新鋭客船のMSCワールドエウローパ で撮影されたものです。この新造船が持つユニークな環境技術やソリューションに焦点を当てると同時に、21隻の客船とMSCグループのクルーズ部門全体におけるより広範囲で長期的なサステナビリティへの取り組みとこれまでの活動を紹介します。また、この様にサステナビリティへの取り組みに正面から焦点を当て、消費者、旅行代理店、幅広い取引先との関係において当活動を中心に置く業界初のキャンペーンです。
業界をリードするサステイナブルなクルーズ
300年以上の航海の歴史を持つ家族経営のMSCグループとそのクルーズ部門は、青い地球と特別な関係を持ち、海や幅広い環境の保護と保全に取り組んできました。MSC クルーズ会長のピエルフランチェスコ・ヴァーゴは「当社では長年に渡り持続可能で環境に配慮した責任ある運営を行い、ゲスト、クルー、そして我々が活動する地域社会を守ることに揺るぎない思いを込めてまいりました。MSCクルーズというブランドはこれまで以上に環境面において持続可能な地球の重要性を認識しています。その為我々が率先してサステナビリティへの取り組みを消費者や社会全体において重要な要素に位置づけることが大切だと考えます。MSCクルーズにおけるサステイナビリティは、ブランドのDNAであり運営の中心を成すものです。」と述べました。
MSCクルーズのサステナビリティへの活動計画は、ネットゼロエミッション(温室効果ガス排出量ゼロ)への移行、資源使用と廃棄物の精査、人々への支援、持続可能な観光への投資、環境に配慮したターミナルの建設、持続可能な調達の6つの主要な柱で構成されています。目標を達成するために測定可能な目標を設定し、サステナビリティへの取り組みを推し進めます。
更にMSC クルーズ会長のピエルフランチェスコ・ヴァーゴは追加し、「当社は長年にわたり段階的に環境への負担を削減するために多額の投資を行い、2017年から2023年にかけて80億ユーロ以上を投資してまいりました。その結果近代的で革新的な10隻の新しい新造船が完成し斬新的に客船の環境性能を高めることが出来ました。このブランドキャンペーンは、消費者や取引先に我々のサステナビリティへの取り組みが船上や運営全体でどのように行われているかを説明し、いかにこの活動がMSCクルーズの中心であるかを示すことが重要であると考えます。」とコメントしました。2008年以降、クルーズ部門の取り組みにより炭素強度が35%削減され、2030年までに40%削減するという業界全体のIMO目標達成に向け順調に取り組みが推し進められています。
2050年までにネットゼロエミッション(温室効果ガス排出量ゼロ)運航を行う
MSCグループのクルーズ部門は、2050年までに環境負荷ゼロのクルーズ運航を実現するという長期目標を掲げておりその実現に向けて大きく前進しています。 MSCクルーズのサステイナビィティ&ESG部門のバイスプレジデントであるリンデン・コッペルは「我々が最も力を入れている変化は使用する燃料にあります」と強調し、「短期的にはLNG、中期的には低炭素燃料、そして長期的にはゼロカーボン燃料へと移行していくことになります。低炭素燃料はまだ十分な供給量が確保されていないため、より高度な客船と関連する環境技術への投資を通じて、その開発と普及を加速させる協力をしています。MSCクルーズは、新しいクルーズ船を建設するたびに、これらの燃料を利用するための新しい技術的ソリューションを導入しテストをしています。これは、燃料供給会社や供給責任を負う政府に対して、我々がこれらの燃料導入へ向けたソリューションに対する準備ができていることを示しています。」と述べました。
2022年10月に造船所から引き渡されたMSCワールドワールドエウローパ は、MSCクルーズ初のLNG動力船です。LNGは標準的な船舶用燃料と比較して硫黄酸化物や微粒子などの大気汚染物質の排出をほぼゼロにし、窒素酸化物を大幅に削減可能になったことで、すでに最大25%のCO2削減を達成しています。さらに、LNGはグリーン水素、合成LNG、燃料電池などの低炭素燃料やそのソリューションへ向けた開発を可能にします。MSCグループのクルーズ部門は、同船で従来の熱エネルギーを機械エネルギーに変換する内燃機関と比較して温室効果ガスの排出を削減できる可能性のある固体酸化物形燃料電池の技術も検証し、今後の新造船に燃料電池の導入を拡大させていく予定です。
MSCクルーズの2隻目のLNG動力船である「MSCエウリビア」は2023年6月に初就航を予定し、3隻目のLNG動力船である「MSCワールドアメリカ」は現在建設中で2025年に造船会社から引渡しが予定されています。
あらゆる分野での一貫した進歩
これらの大きな変革が起こる一方で、MSCクルーズはデジタル化、航路の最適化、幅広い環境技術の導入など燃料への依存度を減らすための重要なステップを踏み続けています。
リンデン・コッペルは「MSCクルーズはスマートな換気システムや熱と冷気を効果的に分配するエネルギー回収回路を備えた高度な空調システムなど、具体的かつ非常に革新的なソリューションを通じて船内のエネルギー使用を継続的に最適化しています。当社の客船は何千ものさまざまなデータを収集し陸上の専門家チームに共有しています。このデータは客船の運航状況をよりよく理解し、エネルギーの使用を継続的に最適化し運航の全領域で効率を向上させるために使用されます。」と述べました。
新造船の照明にはエネルギー効率の高いLEDを取り入れ、暖房、換気、空調システムは天候や乗船者数に応じて自動調整されます。さらに、スクリュープロペラのブレード交換や抵抗低減対策により流体力学的性能も最適化されています。また、船体には海洋生物の繁殖を遅らせる特殊な塗料を塗布し抵抗を減らしてエネルギー効率を高めています。 岸壁電源(陸上電力)技術は2017年からMSCクルーズの全新造船に標準装備され、2022年末に総客船分の65%をカバーしました。寄港する港がこの陸上電力を利用できるようになるにつれ、今後就航する客船にもシステムが追加される予定です。MSCクルーズは、利用可能な場所では常に陸上電力を使用することを約束します。
ハイブリッド型排ガス浄化装置(EGCS)は、客船の大半の船に搭載されており硫黄酸化物(SOX)の排出を98%削減します。また、最新船には選択式触媒還元装置(SCRS)が搭載され、窒素酸化物(NOX)排出量を最大90%削減でき、すべてのLNG動力船はSCRと同レベルの窒素酸化物(NOX)を排出するため、LNGと従来の化石燃料と比較した際に大変優れていると言えます。
船内の環境コンプライアンス担当者は、廃棄物管理チームを管理しプラスチック、紙、段ボール、ガラス、アルミニウム、その他の金属くずなどの廃棄物やリサイクル可能な材料の収集、分別、安全保管に責任を負っています。廃棄物は圧縮、分別、焼却され、分別された残留廃棄物はリサイクルまたは処分のために専用の港湾受け入れ施設に慎重に運ばれます。さらにサプライヤーと協力しより革新的なパッケージデザインを取り入れ梱包材の廃棄物を大幅に削減しました。 また、節水は重要な分野でもあります。
MSCクルーズの客船には最新の水製造設備が備えられています。船内で使用されるほぼ全ての水は自己生産されており、高効率の逆浸透膜や蒸発システムにより海水からきれいな淡水が作られます。各船は1日あたり300万リットルを超える水道水を製造する能力を備えています。 さらに、MSCクルーズの客船は高度な廃水処理システムを備えており、船内の全ての廃水を多くの陸上廃水処理施設よりも高い水準で処理することが可能です。 それに加えて、バラスト水管理条約(International Convention for the Control and Management of Ships’ Ballast Water and Sediments)を完全に遵守しています。客船には承認・認証されたバラスト水処理装置が設置され、すべてのバラスト水はろ過され有害な水生生物や病原体が含まれないよう、海上に排出される前にUV処理されます。
多様な海洋生命体の保護と持続可能な観光の推進
MSCクルーズの客船は大切な海洋生物への影響を最小限に抑えるよう設計・建造されています。例をあげると、水中騒音を低減するための技術に反映されています。MSCクルーズは地中海東部で絶滅の危機に瀕しているマッコウクジラの個体群を保護するための取り組みを支援することに同意しました。これはペロポネソス半島の西と南、そしてクレタ島の南西のエリアで客船の航路を変更することによって行われています。この地域でクルーズが運航される4月から10月にかけて航路を変更することで、危機に瀕したクジラの生存に寄与しています。
また、クルーズ部門は生態系の保護や生息地の再生に貢献し持続可能な社会の実現に貢献することを使命としています。マイアミの東65マイルに位置するバハマ諸島のオーシャンキー周辺海域では、主要な海洋保護プログラムを実施しています。かつては工業用砂の採掘場だったオーシャンキーは、クルーズ部門によって、重要な海洋生物種とサンゴの生息地であるクリスタルブルーの海に囲まれたプライベートアイランドに生まれ変わりました。2021年にはオーシャンキーにMSC基金の新しい海洋保護センターの設計と開発が発表されました。このセンターの目的は、学者や環境専門家のチームと協力して海水温の上昇に耐えられる丈夫なサンゴの種や遺伝子型を特定することです。
MSCクルーズはツアーオペレーターや業界パートナーと密接に連携し、持続可能な観光の実践を支援・促進していており、持続可能性の実現に取り組む旅行会社のためのトレーニング、管理、認証の主要な先駆者であるTravelifeとパートナーシップを結んでいます。
MSCクルーズの寄港地観光ツアーチームは、世界中のツアーオペレーターと協力しサステイナビリティを強く意識した寄港地観光ツアーを行っています。これらのツアーは「プロテクトツアー」と呼ばれ、ゲストへの教育的なトレーニングを目的とする特別に企画されたものです。現在、プロテクトツアーの約70%にウォーキング、サイクリング、カヤックなどの負荷の少ない交通手段を利用しており、その多くが生物種や生息地の保護を通じて環境に直接貢献しています。例えば、デンマーク、フィンランド、ノルウェー、スペイン、スウェーデンでは港から観光地までのシャトルバスに、より多くの電動式及びハイブリッド式バスが使用されており、MSCクルーズは今後環境に配慮した陸上の交通機関の利用を増やしていく予定です。
新ブランドキャンペーンについての詳しい詳細は
こちら