闘牛と険しい山々
アラブ首長国連邦で最も人口が多い東海岸の街、フジャイラ(MSCクルーズ客船で訪れている同名の国の首都「フジャイラ市」のことです)は、主に近隣の国、特にドバイの経済的発展の影響で、ちょっとした経済ブームを享受しています。
その主な理由は、アラブ首長国連邦の石油のほとんどを輸出するシンガポール、ロッテルダムに続く世界第3位の巨大な石油積出港があることです。この港は東海岸に位置するため、船舶が2日間をかけてアラビア半島を回るコースをとる必要がありません。 ドバイ、アブダビ&シルバニヤス島クルーズでは、市内中心部北端のマザブ通りをはずれた場所にある、非常に美しいフジャイラフォート(現在は公開されていません)など、街の主な観光スポットを回る寄港地観光 をお楽しみいただけます。
その歴史は16世紀まで遡り、アラブ首長国連邦の数多くの砦の中でも最も美しいと言われています。ハジャル山脈の剥き出しの山肌に囲まれた高台の上に建ち、高くむき出しの壁が、塔と胸壁に向けてそびえ立つその姿はなんともドラマチックです。 フォートのすぐ南に建つフジャイラ博物館では、地元の武器、宝飾品や考古学的展示を見ることができます。 フジャイラの名物は、街の伝統的な闘牛(アラビア語で「mnattah」)です。
17、18世紀の頃にポルトガル人により湾岸地域に持ち込まれたと言われている闘牛は、スペインのそれとは異なり、マタドールではなく雄牛同士を戦わせます。 会場には興奮しきった牛がいますが、血を見ることはありません。ただし、牛が観客に向かって走ってきたら、全力で逃げてください。